2008年02月21日

意外な趣味

ヘルシング家一階の調理場に続く廊下を“幻術使い”ことゾーリン・ブリッツがウォルターにお茶の入れ方を教わる為に歩いていた、事の始まりは2ヶ月ほど前。
ゾーリンが何かある事にウォルターの所に行き「暇なんだよ」「何か無いかい」と
愚痴混じりに話すのを聞いていたウォルターがある提案を出した。

「それならば、お茶の入れ方でも御教え致しましょうか?」

その一言が始まりだった

「そんな趣味は無い、そんなもん知ったって誰に出すってんだい」

と初めは歯牙にも掛ける気もないと拒否したが

「ウィンクル様にお出しすれば喜ばれますよ、それに、何もせずに過ごしていたのでは結局お暇で御座いましょう、それに静の行動を身に付ければ、有事の際に置いても何かと役に立つかと」

戦友でもあるウィンクルの名と暇つぶし、それに人間ではあるが、その戦闘能力・理解力には一目置いているウォルターが言うならば戦闘における有効性も否定は出来ない、そんな訳で始めた作法だが吸血鬼であるゾーリンが僅かに注意する程度で吸血鬼特有の優雅とも言える動きが出来るので、カップを破壊する事は無く、むしろ上級執事見習いと言っても過言ではない。

「やれやれ、今日は何をやるのかねー、カップの出し方・配置・茶の入れ方・菓子の出し方はやったから・・・まさか、話し方までとやかく言うつもりじゃ無いだろうね」

そんな事を言いながらもその足は止まる事はなく廊下を進んで行く、が、調理場の扉が見えた所で足がピタリと止まった、空気がオカシイ、いや、オカシイ所ではない直ぐ先の扉から尋常ではない気迫が漂ってくる、しかもその気迫はゾーリンの良く知る人物“猟師”ことリップヴァーン・ウィンクルのモノであった、だが、更にゾーリンを意外な顔にさせたのはその気迫に満ち満ちている筈の室内には人間が居る事である

「何だってんだい?あんな気迫の中に人間がいれば狂ったっておかしくない」

そう言って数歩扉に近づくとリップヴァーンと人間が言い争っているのが聞こえて来た、声から察するに人間の方はヘルシング家の料理長の様だコレには眼を見開かざるをえなかった、ソレもその筈、数少ないリアル・アンデッドに何の力も持たない人間が“正面”から意見を、いや“怒鳴っている”のだ、しかもリプヴァーンもソレを鼻であしらう事はせず、こちらも正面から怒鳴っている双方一歩も譲る気は無いようだ、ココでゾーリンは迷った、入るべきか?しかし、ココで入ったとしても争いを止めれない、ヘタに止めれば怒りの矛先がこちらに向くのは目に見えてる、だからと言ってココ(蚊帳の外)でほっとくのもどうかと思うし・・・、そんな事を考えていると、後ろから誰かが近づいてくる、気配から察するにウォルターだ、すかさずそちらへ行き指で“静かに”と示し扉の方に誘導する

「どうされましたかな?」

小声で質問するウォルターに扉の中を窺う様身振りで伝える

「これは・・どうしたのでしょうな?」




私情により、サイトの更新がニッチもサッチも行かなく成ったのでブログ内で作品を展示する事にしました。
以降はこの作品を追筆する事で継続の繋ぎとしていきますので宜しくお願い致します。

電子の波間 管理人:アーク



Posted by アーク at 20:02│Comments(1)ブログ内作品
この記事へのコメント
さぁ今年も気合入れて頑張りましょうか!色々辛いこともあるだろう。思い通りにいかなくて挫けそうになる日もあるだろう。
Posted by デコログ at 2012年01月17日 18:51
 
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